文たちの話を聞いた次の日。いつも以上に、手を抜きダメ上司のいやみを右から左に聞き流して。その倍くらいダメ上司のミスについてダメだしをしながら、仕事をこなしていた。
「高槻さん、何かありました。」
同僚から声をかけられる
「べつに、何もないよ。」と言い返す。
そしたら、笑われた。
「またまた、いつも以上ですよ。その口。部長、青くなってる。フォローしてくれないから」
それは、仕方ないよ人のことなんで構ってられない。そうでもしなきゃ殴り倒している。
「当然でしょ。俺らより給料もらってんだからいい加減仕事覚えろっての。」
ダメ上司に聞こえるぐらいの声で返す。
「高槻さん聞こえてるよ。たぶん」
同僚が何とも言えない顔でつぶやく。上司の方を見る、今度は顔を赤くしてやがる。睨んでる睨んでる。たまには残業しろって。
そんなことを考えていたら、携帯のランプが青く光り着信を知らせてた。相手別で着信の色が変えれる機能が気にいって買った携帯だ。マナーモードでも相手をすぐに分かるように、
ランプの色を見たとき自分の目を疑った。そして一度、目を閉じもう一度ランプを確認した。昨日の今日でこの色が光るなんて思ってなかったなんて言ったら嘘になるけど早すぎでしょう。ランプをみながらひと呼吸おいてでた。
「よぉ、どうするの。」
これだから携帯は便利だ。相手がわかるから前置きもいらないし、こちらも名乗る必要がない。なのに、その便利さを理解できている人間は少ない。
「あのさ、あの事以外に今、かけてくる用事あるか?」
「うん、……うん。わかった今からいくから。仕事?早い方がいいんだろ、気が変わりそうで恐いんだろ。」
こういう事は時間を空けない方がいいそう思いながら、話をつづける。
「了解、今から出る。じゃまたあとで。」
電話を切り、今日のスケジュールを確認。まぁ、俺いなくてもなんとかなるでしょう。
さて、動きますか。
「部長、急用ができたんで早退します。」
別に、奴に許可を貰う必要もないが一応建前で言っておく事にした。
「デートが急用ね。若いね。」
そんな返事がもどってきたので、すこしキレた。
「うるさいな。だまれ。じゃ有休だ馬鹿やろう。文句ないだろ」
俺はオフィス中に、聞こえる声でどなった。何、ニヤケタ顔していってやがる。茶化しやがって。
聞き耳立ててる場合か仕事しろ。
その瞬間、オフィス内が凍りついた事に気づいたが、まぁ関係ない。
「木村さん、今日の1日のスケジュール全部キャンセルね。まぁ問題はないはずだから。あとなにかあったら携帯へ。かかってきても出ないけどね。決済必要なら机の中に部長の印鑑と俺の印鑑あるから適当にしといて。じゃよろしく。」
「高槻さん、どうするんですかこの空気。なんとかしてってくださいよ。」
「適当にやっときゃなんとかなるよ。お前も休んだら有休たっまてんでしょ。休まなきゃ肌に悪いぞ。」
そう言い残してオフィスを後にして、駐車場に向かった。電車通勤が苦痛だったため、近くで駐車場を借りている。
今日の天気は憎いくらいの快晴。雲一つなく清々しかった。
車につきエンジンをかけ、ついでにタバコに火をつけくわえ、アクセルを踏み込み文の家まで走り始めた。
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どこかで起きていそうで、でも身近に遭遇する事のない出来事。限りなく現実味があり、どことなく非現実的な物語。そんな物語の中で様々な人々がおりなす人間模様ドラマ。