携帯を手にとり、良司に電話した
プルル…プルル……
仕事、忙しいかなでも、今じゃないとダメなんだ決めた今じゃないと。
プルル…プルル……
コール音が途切れての第一声。
「ん、よぉどするの。」
良司はつながるなりそう言った。
「私まだなにも言ってない。」
一応、そう言った。気持ちは決まった。でもまだ打ち明ける準備はしてる最中なのにそんな私の気持ちを知ってか知らずか良司が続けた。
「あのさ、あの事以外に今、かけてくる用事あるか?」
「ない」
私は即答していた。
「良……。」
「うん。」
「会って話がしたい。」
「うん。わかった今からいくから。」
「えっでも良、仕事中じゃ」
「仕事?早い方がいいんだろ、気が変わりそうで怖いんだろ。」
なんか見透かされてる。そんな優しさが嬉しかった。
そう今、電話でも確認はできる。でも、もう一度本人の口から聞きたかった。
「うん、わかった。今、家にいるから」
「了解、今から出る。じゃまたあとで」
そう言って、良司は電話を切った。携帯をたたみ、机の上に置く良司の会社から私の家まで車で15分ぐらい。時計を見て良司の到着時間を確認した。
そして、昨日良司が言った事を思い返した。
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どこかで起きていそうで、でも身近に遭遇する事のない出来事。限りなく現実味があり、どことなく非現実的な物語。そんな物語の中で様々な人々がおりなす人間模様ドラマ。