次の休日、ルークは噴水広場で待ち合わせをしていました。
「ごめんなさい!遅くなってしまって…」
「ううん、マルヴェールからは距離が遠いから仕方ないよ」
「男の子とデートするなんて初めてかも」
「記憶を失う前はデートしてたのかな?」
「うーん、リリムお姉さんから聞いた話だと、出かけるより家でイチャイチャしてる事が多かったらしいよ?」
「他人の目を気にしてたのかもね。じゃあこれが初デートなのかもしれないな」
「お互いに記憶がないから初デートみたいな感覚だよね…」
「それじゃ、これからどこに行こうか?」
「うーん、なんだか周りの視線が痛い…」
「じゃあ、人の来ない場所に行く?」
「そんな場所、アラヴェスタにあるの?」
「ちょっと君を連れて行きたい場所があったんだ」
「わかったわ。そこに連れて行って」
ルークが連れて来たのは、二人の新居だった一千万の家でした。
「前にお母さんに連れて来られたんだけど、君も見覚えのない家だよね?」
「うん、こんな豪邸に誰が住んでるんだろ?」
「今は空き家になってるけど、つい最近まで僕たちはここに住んでたんだ」
鍵を開けて中に入るとリビングに飾られたウエディングドレス姿のローラの絵が目に飛び込んできました。
「大きな私の絵がある…。しかもウエディングドレス着てるし」
「これはローラがウエディングドレスを試着に行った日におじさんがスケッチして、結婚式の日にプレゼントしてくれたものだそうだよ?」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第353話。