No.990175

聖ビーストテイマー・ナタ347

リュートさん

一応、新シリーズだけど本編の第3部・第347話。

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2019-04-15 00:50:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:147   閲覧ユーザー数:147

アークは溜息を吐きながら、ルークの試作品の結界石と書類を机の上に置きました。

 

「実力があったら試験の見張りなんて安い仕事はしないだろう」

 

「僕なら多分、一発で替え玉は見抜けるよ?」

 

「ナタは前に一度アルバイトで見張りの仕事をしたんだが、その際に替え玉を発覚させてしまって、それが原因でブラックリストに載ってしまったようだな」

 

「何、それ?お母さんは全然、悪くないじゃないか!」

 

「僕があいつらに手を出さない理由も、あの手この手で嫌がらせをされるのがわかってるからだよ?」

 

「僕はそう言う裏の事情を知らないからなぁ。お父さんはなんで知ってるの?」

 

「オズワルドの使い魔だった頃に見ていたから知ってるんだ。裏で汚い事に手を貸した経験もある…」

 

「お父さんは苦労して生きてきたんだね」

 

「苦労をしてない者は何も知らないからな。本で読んだだけでは得られない知識と言うものがあるんだよ」

 

「だからおじさんはあのシナリオを書いたんだね。僕に苦労させる為に…」

 

「かもしれないな。この方法が実用化されたら本人認証の仕方が大きく変わる事になる」

 

「改良の余地はまだまだあるんだけどね。あくまでも試作品だからさ」

 

「ローラの記憶が消えてから頭が冴えて来たようだな」

 

「ローラの記憶は消えたけど、わかってる事ならたくさんあるよ?僕がローラを愛してたって事も、なんで替え玉受験に僕が手を貸したのかって事もね」

 

「本当に記憶が消えているのか?とてもそうは思えない…」

 

「簡単なロジックだよ?見えなくなってる部分の周りにある見える部分から見えない部分を推測するんだ」

 

「もしかするとゲイザーの奴も記憶は戻っていなくても、そのロジックでわかっているのだろうか…」

 

「ゲイザーもって…。あの赤ん坊の事かな?」

 

…つづく


 
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