その頃、ルークは家でローラの帰りを待っていました。
「いつも僕が帰ったらローラがいるのに…。一人で待つのってこんな気分なんだな。ローラの気持ち考えてあげてなかった気がするよ」
台所で適当に料理を作ってローラの帰りを待ちます。暗くなって来た頃にやっとローラは戻って来ました。
「遅かったんだね。どこに行ってたの?」
「うん、ちょっと…新しい仕事の面接に」
「別の仕事をするんだ?晩ごはん作っておいたから一緒に食べようよ」
「あっ、ごめんね。私が晩ごはん作ろうと思ってたのに…」
「たまには良いじゃないか?あり合わせの材料で適当に作ったんだけどね」
「なんかこんな上手に作られちゃうと私の料理が下手すぎて悲しくなってくるよ…」
「うーん、僕は自分の作ったものよりローラの手料理の方が好きだよ」
「この飾り切りとかめちゃくちゃ細かいし…」
「それは暇だったからちょっとふざけて作ったと言うか…」
「自信喪失しちゃったよ…。私、何の為にルークと結婚したんだろ?」
「僕は君と一緒にいれば幸せだから結婚したんだ。ローラは幸せじゃないの?」
「ルークは私なんかいなくても生きて行けるけど、私はルークがいないと生きて行けなくなるんだよ?ルークにとって私は必要ないでしょ」
「それは違うよ?僕の方がローラがいないと生きて行けないんだ。これを作ってる時も君の喜ぶ顔を想像して作ってたのに、喜んでもらえないなんて…」
「喜んでるよ?でも私がルークを喜ばせる事って何もないなぁって絶望したの」
「僕は君の喜ぶところを見たいんだ。君が喜んでくれたらそれが僕の喜びになる…」
「私、全然笑わないでしょ?なんで笑わないのってよく言われるんだけど、私には笑うって言うのがすごく難しい事なんだよ」
「うん、無理して笑わなくて良いよ。そもそも顔では笑ってても心は喜んでないのは僕の心眼で見抜けるから」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第330話。