No.990049

聖ビーストテイマー・ナタ329

リュートさん

一応、新シリーズだけど本編の第3部・第329話。

登録タグはありません

2019-04-14 07:40:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:93   閲覧ユーザー数:93

ローラは枕営業の意味を聞かされて急に顔が青ざめました。

 

「それは…ルークに知られたら怒られそうだなぁ」

 

「今からでも遅くないから断るんだ」

 

「私、一度ちゃんとした仕事をしてみたくて」

 

「パン屋の方がちゃんとした仕事だと思うぞ」

 

「ルークもそう言うんだろなぁ」

 

「家に帰ったらこの件についてルークに必ず相談しなさい」

 

「ルークに相談したら絶対ダメって言うに決まってるもん」

 

「ダメだと言われるのがわかっていてなぜ断らなかった?」

 

「パン屋さんだと、どんなに頑張っても月八万とかなんだよ?」

 

「それで十分だろう?金にこだわるのは良くない」

 

「死んだお父さんもそう言ってたけど、お金がなかったら誰も救えないじゃない?」

 

「マルヴェールに行けば金がなくても最低限の生活が出来るはずだ。生活が苦しいならアラヴェスタにこだわらなくても良いだろう?」

 

「それも補助金のおかげでしょ?お義父さんがアラヴェスタで稼いでるからマルヴェールの財政難は救われたけど、お義父さんもマルヴェールに来てしまったら、どこからお金が出てくるの」

 

「マルヴェールは元々、アラヴェスタとは隔離されていて自給自足が成り立っていたのに、最低限の暮らしで満足出来ずに文句を言う者が多いんだ」

 

「お父さんも言ってた。一度でも贅沢な暮らしをすると、貧しい暮らしに耐えられなくなるから、貧しい者は僅かなパンで感謝するのに、それが毎日当たり前になると、もっと良い暮らしがしたいって思うって」

 

「ああマルヴェールにはスラム街の出身の者も多いが、スラム街にいた頃は満足に食事も摂れなかったはずなのに、満足に食事が摂れるようになれば、不満をこぼすようになるんだ」

 

「どっちが幸せなんだろう?アラヴェスタのスラム街で暮らすのと、マルヴェールで暮らすのは」

 

「マルヴェールに決まっている。スラム街では女は外を一人で歩いてるだけで危険だからな」

 

…つづく


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択