ゲイザーは哺乳瓶を持ったままで目を閉じてじっとしています。
「ゲイザーは寝たフリをしてるようだな。気を遣ってるのか?僕の小さい頃にそっくりだよ」
「えっ?これ、寝たフリだったの…。でもお義父さんなら寝たフリには気付きそうだけど…」
「僕が寝たフリしててもお父さんは気付いてたはずだよ?同じ部屋で寝てたからね」
「そうだよね。私は小さかった頃の事はあんまりよく覚えてないんだけど」
「だから僕はすぐに家を買う事にしたんだよ?家の誰かに気を遣って暮らしたくなかったし」
「私は家に誰かがいる方が良いかなぁ。ゲイザーと二人だけで待ってるとすごく寂しいよ…」
「ああ、そうか…。僕が帰って来るまで待ってる時は寂しい思いさせてごめん」
「だからいつも考えちゃうんだよね。このままルークが帰って来なかったら…って」
「必ず帰って来るから安心して。君を一生守り続けるって決めて結婚したんだ」
「私、ダメな子だからルークがいないと生きて行けないんだよ」
「僕もローラがいないと生きて行けないよ?仕事でイライラして、こいつら全員殺してやりたい…って思ってもブレーキをかけられる」
「仕事中に相手を殺したくなるくらい嫌な事があったの?」
「ああ、たまにそう言う気分になる時がある」
「知らなかった…。家ではいつものルークだから、仕事も上手く行ってるんだと思ってたよ」
「家に帰ったらローラがいるから…って思ったら嫌な事も全部、我慢出来るんだよ」
「ルークが人間を殺したりしたら、ミカエル様が殺しに来るのかな…」
「仕事のストレスは我慢できるけど、もしもローラの身に何かあったらストッパーが外れて、何をするか自分でもわからない」
「私は大丈夫だから、絶対に変な気は起こさないでね」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第319話。