ルークは首をゆっくり横に振ると言いました。
「多分お父さんも同じだと思うよ?ウィルスさんも他の魔術師もお父さんなら簡単に皆殺しに出来るんだ」
「お義父さんもナタお姉さんがいるから我慢出来るって事かな」
「あいつらを皆殺しにした方が平和になると思うんだけど、なぜか僕たちが悪い事にされてミカエル様が天界から抹殺に来るだろうね」
「そんなに酷い事してるの?魔術師連盟の人たちって」
「色々と最悪だよ?お母さんは就職差別を受けていたし、僕もあいつらに逆らったらロクな仕事に就けないように、根回しされるだろうね」
「どうしてそんな事するんだろう…」
「お母さんがあいつらの言いなりにならなかったからだろう。僕も言いなりにならなければお母さんと同じ仕打ちを受ける事になるさ」
「どうする事も出来ないの?お義父さんもルークもすごく強いのに…」
「ああ、殺すのは簡単だけどその後が面倒な事になるから。生きる価値もない人間のクズを守っている天界の偉い人の方が悪いんだ…」
「天界の偉い人は悪い人を罰してくれるんじゃなかったの?どうしてほったらかしにしてるんだろ…」
「あいつらは生かしておいてもロクな事はしない。天界があいつらをなんで生かし続けてるのかわからないよ」
「ルークが苦しんでるの見てると私も辛い…」
「僕は苦しんでないさ?あいつらが誰かを苦しめてるのは知ってるけど、それを止めようとしたら僕が悪い事にされるから、見て見ぬフリするしかない」
「困ってる人を助けたらダメなの?」
「おじさんみたいに困ってる人を助けると自分の首を締めるだけだよ」
「お父さんはそれでも困ってる人を助け続けてたよ?」
「だから僕はおじさんのシナリオ通りにやってみたんだけど、このシナリオを終わらせる方法がわからなくて悩んでる。あいつらを皆殺しにして終わるのが一番簡単だけど、おじさんはそんなシナリオは絶対に書かない」
「私に出来る事はあるのかな?ルークの事、助けてあげたいよ」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第320話。