家に帰るとローラがしょんぼりしていました。
「どうしたの?元気がないね…」
「お給料日だったんだけど、思ってたより少なかったの。結構、頑張ったんだけどなぁ」
「うーん、普通のアルバイトだと給料は大体こんなもんじゃないかなぁ?」
「これじゃ家のローンの返済には全然足りないよね…」
「家のローンの事は考えなくて良いから、そのお金はローラの好きな物を買うのに使ったら良いよ?」
「私、別に欲しい物なんてないし…」
「ローラはオシャレに興味がなさそうだから服装もいつも地味だし、アクセサリーもほとんど身に付けてないよね…」
「ルークの作った結界石はいつも身に付けて歩いてるよ?」
「それはお守りだから常に持ち歩かないと意味がないんだ」
「これは二つ目だけど、もう壊したくないよ」
「でもいざと言う時には使って欲しい。壊れてもまた結界石は作れるし…。言霊だけは飛ばせるから、その時は僕に助けを求めて」
「うん、これがあれば安心だって思ってるから怖くないよ」
ローラは休日にナタの美容室に相談に行きました。昼休みなので一緒にランチを食べに来たようです。
「うーん、私の初給料もそのくらいだったわ。あの頃はまだ学生で短時間のアルバイトしか出来なかったし…」
「ナタお姉さんはお義父さんにネクタイをプレゼントしたんだよね?私もルークにネクタイ買おうかな…」
「ああ、思い出したくないわ…。あの天使柄のネクタイはアークが気に入ってるから、捨てるに捨てられないのよ?」
「変な柄のは買わないようにすれば大丈夫ですよね?」
「あの頃の私はアークに似合いそうって本気で思ってたし、アーク本人も一番あれが気に入ってるから、もうどうしようもないのよ…」
「初めてもらったプレゼントが一番大事!って思う気持ちは私にもわかります」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第304話。