窓の外が突然、光り輝いたのでカーテンを開けるとミカエルが来ていました。アークも一緒にいます。
「遅くなって、すみません…。色々と立て込んでいたので」
「いえいえ。お忙しいところ、ご足労かけました」
「本当に記憶が戻ってしまったんですね…。非常に珍しいケースですが、命の危機に瀕した際などに前世の記憶が蘇る場合もあります」
「命の危機に瀕したわけではないのですが、娘が襲われていて幼心に救いたいと考えていたら記憶が蘇っていました」
「おそらくアウローラのピンチを救いたい一心で覚醒してしまったのでしょう」
「ところでゲイザーはこうなると予測していてあのシナリオを書いたのか?だとしたら許さないぞ!」
「まさか!私にはそこまで精密な予測能力はありませんよ?これは予想外の事実です…」
「そうやって無能なフリをして逃げるのがお前の小賢しいところだな」
「私よりもルークの方が優秀です。あの書類の山を見てください。ありとあらゆる側面から推測した最善の策を練ろうと試行錯誤した跡が見られる」
「その最善の策がこの事態だと言うのか?お前の覚醒をルークが計算していたとでも…」
「ルークがアウローラをピンチに陥れる策を練るとは思えません。もちろん私がそんな策を練る事もあり得ない。つまり偶然の産物ですよ」
「他に言い残す事はないのか?記憶が消えればお前の考えている事は僕らには推測出来ない」
「ええ、もう思い残す事は何もありません。フラウには私の記憶が戻った事は言わないでもらえますか?」
「フラウが知ると話したかったと言って腹を立てそうだからな」
「また何かの拍子に記憶が戻らないとも限りませんし、その時はアーク殿に助けを求めに行くと思います」
「僕の機嫌が悪いと貴様を血祭りに上げるかもしれんぞ?」
「アーク殿には私を殺す事など出来ませんよ」
「くっ!忌々しい奴だ…。全て予想済みと言うわけか」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第287話。