少し時間を戻して、美容室の昼休みにローラはナタから合鍵を借りて、ゲイザーを迎えに行きます。途中でルークが美人と一緒にレストランに入って行くのを見てしまいました。
「すごく綺麗な人だけど…。ルークの仕事関係の人かな?」
気にしないようにしようと思っても気になってローラは同じレストランに入ります。ルークは二階の特別席に移動して、女性と楽しげに話していますが、ローラのいる一階は騒がしくて何を話してるのかまでは聞こえません。
「ううっ…やっぱり見に来るんじゃなかった。私と話してる時、ルークはあんなにニコニコしないのに…」
適当に一番安いランチを食べて外に出ます。憂鬱な気分のままアーク邸のドアを開けて中に入ると、スノーがゲイザーとリリーをあやしていました。
「顔色が優れぬようだがどうかしたか?」
「うん、ルークが浮気してるかもしれなくて」
「うーむ、ルークはアークと同じで一人の女を愛する主義のようだが」
「でもすごく綺麗な人だったの。私が男ならあんな美人に言い寄られたら付き合っちゃうと思う」
「ふむ、人間の美的感覚は我にはわからぬが、お前も美人だと思うぞ」
「前に夜の街で見かけた女の子もすごい美人だったから勝てないなぁと思って」
「しかしルークは自分の意思でお前の使い魔になっておる。契約の拘束力はかなり強い」
「呪いがかかってないから簡単に解除出来るんじゃない?」
「無理やり解除するのはかなり骨が折れる。魔法で繋がれた鎖と手枷足枷を引き千切るのだから、激しい苦痛が伴うのだ」
「そっかぁ。使い魔って思った以上に大変なんだね…」
「まあ我も今の待遇は甘んじて受け入れておるがな。子供と戯れるのは楽しいものよ?」
「スノーはうちの子にすれば良かったって思ってたの」
「我を支配するのはかなりの精神力が必要だがな。先日、我が倒したビーストテイマーは我を支配する器がなかった」
「私の支配力ってどのくらいなんだろ?」
「我が見た感じではナターシャと大して変わらんようだが」
「えーっ、ナタお姉さんってかなり支配力高そうだけど…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第239話。