ナタが帰宅したので、ローラは帰ろうと思ってゲイザーを抱き上げると、リリーがゲイザーの手をギュッと握って離しません。
「あっ、どうしよう…。離れてくれない」
「ルークが赤ん坊の頃もローラの手を離さなくて困った事があったわねー」
「えっ、私が赤ちゃんの時にそんな事があったんだ?覚えてないわ…」
「そう言う時はこうするのよ?」
ナタはリリーのお腹に両手の人差し指で連打するように素早く突っつきました。リリーは笑顔になって手を離します。
「すごい!本当に離れたー」
「子育ての悩みがあったら相談に来なさい?一応、先輩なんだからね」
「はい、よろしくお願いします」
「夫婦の悩みも相談に乗るから、アークとルークの行動パターンも大体、把握してるのよ?」
「それは心強いです!実はちょっとルークの事で悩みがあって…。聞いてもらえます?」
「ん?なんでも恥ずかしがらずに話してみなさい」
「実は今日、見ちゃったんです。ルークがレストランで、とても綺麗な女性と食事してるところを…」
「ああ、アークも昔そう言う事があったけど、仕事の為だったみたいよ?気にしなくて良いと思うけど…」
「私もそうだと思ったんですけど、ルークはすごく楽しそうに笑ってて…」
「ルークが笑ってたの?じゃあ脈なしね」
「なんで笑ってたら脈なしなんですか?」
「あの子、本当に楽しい時は絶対に笑わないもの」
「そうだったんだ…。私といる時ほとんど笑わないんです」
「逆に楽しくない時に無理して笑う癖があるのよねー」
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第240話。