No.986855

聖ビーストテイマー・ナタ237

リュートさん

一応、新シリーズだけど本編の第3部・第237話。

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2019-03-11 12:56:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:158   閲覧ユーザー数:158

ここでルークは核心に迫ります。

 

「三年前、体術サークルの女子更衣室で女子部員が襲われた際、先生はどうしておられたんですか?」

 

「それは…答えられません」

 

「あの日から先生は忽然と姿を消した…。事件に巻き込まれたと僕は読んでいましたが、教授たちは口裏を合わせて揉み消そうとしていました」

 

「ウィルス様からアウローラ・マルヴェールと話がしたいと言われたのです…」

 

「それで魔術師連盟がローラを拐うのに手を貸したのですか?」

 

「あんな手荒な真似をするなんて思わなくて、奨学金の返済が半分も終わらず生活が苦しかった私に、魔術師連盟に手を貸せば奨学金を完済してくださるとウィルス様が…」

 

「なるほど、弱みに付け込まれたってわけか」

 

「アウローラが体術サークルに入ってから、あなたがよく見学に来ていて、私はこっそりあなたを眺めるのが楽しみだったの」

 

「そう言えば僕が見学に来てもほとんど叱られませんでしたね」

 

「他の男子生徒は私を見ると怖がって逃げるのに、あなたは逃げずに挨拶をしてくれていたから」

 

「先生の後任の体術の顧問はあまり真面目な人ではなかったので、先生の方が良かったとローラも言ってましたよ?」

 

「そう…、アウローラには酷い事をしてしまったと反省してるわ。無事に救出されたみたいでホッとしたけど」

 

「先生のオーラが綺麗なのは知ってますよ?なぜ悪事に手を貸したのか気になっただけです」

 

「心のどこかでアウローラに嫉妬してたんだと思います。アウローラに嫌がらせをしている生徒を見つけても強く叱れなかった…」

 

「そうですか…。やはりあの事件は僕が原因だったんだな」

 

「あなたの演劇もこっそり見に行っていたし、レコードも思い切って買ったんです」

 

「えっ、あのレコードも?恥ずかしい…」

 

「性転換魔法が使えるのは天才だって教授たちも噂していたから、姿が変わっても私の愛は冷めなかった」

 

…つづく


 
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