ゲイザーと名付けられた子供をアークは心眼で見ています。
「オーラがゲイザーと同じ色だな。奴が転生した確率が非常に高い…」
「ローラのオーラと同じでもあるけどね。珍しい色のオーラだけど…」
「ゲイザーのように頭の回転の速い子供が孫だなんて僕は嫌だよ?色々と見透かされてしまって嫌な気分になりそうだ…」
「そうかもしれないわね。私が子供の頃も頭が良すぎて大人から嫌われたから…。私はわざと頭の悪いフリをしてごまかしてたわ」
ナタも大きなお腹をさすりながら言います。二人目が出来てしまっていました。
「二人目はナタに似た女の子が欲しいな」
「もうすぐ産まれると思うから孫のゲイザーとは同級生になりそうね」
「ナタが働けない分は僕がしっかり稼ぐよ?ゲイザーの書いたシナリオ通りに行くかわからないが、魔術師連盟の総帥になる事にしたから、しばらく金には困らないさ」
「くれぐれも気を付けてね?あなたがいなくなったら、私はシングルマザーになっちゃうんだから…」
ルークも魔術師連盟の結界師としてスカウトされて、卒業前から内定が決まっていたので、アークと一緒に秘密結社の館に出勤します。
「危ない橋を渡らされそうになったら相談するんだぞ?ルーク」
「うん、僕も天界から抹殺指令が出てるみたいだし、慎重に行動するよ?新婚ホヤホヤでローラを未亡人にしたくないし」
ローラは赤ん坊のゲイザーに授乳中でした。勢いよく吸い付いています。フラウも赤ん坊の様子を見に来ていました。
「本当に可愛いわぁ。ゲイザー様にも見せてあげたかったわね」
「お父さんと同じ名前なんて、なんか呼びづらいわ…」
「私もビックリしたんだけど、ルークはこの名前が良いって言うから許可したのよ」
「ルークはお父さんの事、尊敬してたみたい」
「そうね。ルークもゲイザー様のような良い子に育って欲しいと言ってたわ!」
「ルークは卒業前に魔術師連盟からスカウトが来た時、最初は行きたくないって断ってたのにおじさんの遺言だからって言って結局、魔術師連盟に就職しちゃったし…。本当に大丈夫なのかな?」
「ゲイザー様には何かお考えがあって、あの小説を書いてたのだと思うの。でもオチがまだ書かれていなかった。きっと突然、亡くなってしまわれたので、最後まで書ききれなかったのね…」
「怖いくらい言い当てられてるってルークが驚いてたよ?」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第189話。