ナタはグリーンカレーみたいにドロドロとしたまずい長寿の薬を一気飲みしました。
「今ローラのお腹の中にいるのがおじさんなら天界に行っても無駄じゃない!」
「ルークはもうローラを妊娠させてしまったのか?我が息子ながら情けない…」
「この前、ローラに悪阻みたいな症状が出てたわ」
「ゲイザーが生きていたらルークはこっぴどく叱られてるだろうな?」
「中絶はさせないわ。おじさんの生まれ変わりなら尚更ね」
「僕も中絶には反対だね。神の怒りに触れる行為でもあるし、お腹の中の子供には何の罪もない」
卒業式目前にローラのお腹は大きくなっていました。その状態でアカデミーに通っていたのでヒソヒソ話をされています。
「学生結婚してすぐ妊娠するとか不潔だわ…」
「ローラって純情なフリして、やる事はやってるのねぇ?」
中絶を繰り返してる不純な自分たちの事など棚上げのようです。
「僕がちゃんと避妊してなかったせいでローラが傷付く事になってごめんね…」
「ううん、悪口言われるのは慣れてるから平気だよ?」
「お母さんが中絶はダメよ?って言うから…。僕がお腹にいた頃もお母さんは悪口言われまくってたらしくて、ローラの気持ちはわかるんだってさ」
「ルークの赤ちゃんだから中絶したくないよ」
「生まれるのは十ヶ月後だから大丈夫って思ってたけど、妊娠五ヶ月でお腹が大きくなるって事を考えてなかった…」
「ルークって頭良い癖に、そう言うところバカだよね」
卒業してしばらく経った頃、ローラは破水して早期剥離で出産しましたが、ギリギリで未熟児ではありませんでした。フラウが小さな男の赤ん坊を抱かせてもらって泣いています。ルークもそばに立っています。
「ゲイザー様にそっくり…」
「おばさん、この子の名前なんだけど…ゲイザーって付けても良いかな?」
「えっ、この子にゲイザーって名付けるの?」
「うん、おじさんによく似てるから。僕、おじさんの事はリスペクトしてたんだ。おじさんみたいな人になって欲しいと思ってる」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第188話。