放課後、校門の前でマルヴェールと反対方向の城下地区の方へ帰ろうとしながら、なんとなく振り向くとローラが目をウルウルさせてこちらを見ていました。
「なんでそんな捨てられた子犬が見つめるような目で僕を見てるの?」
「いつも家まで送ってくれてたのに…。今日は帰っちゃうんだ」
「うーん、今日は寝不足だし、リリム姉さんが空から護衛してるから大丈夫だよ?」
「やっぱり愛が冷めて来たんだ」
「ち、違うってば!今日は本当に具合が悪くてさ」
「具合悪いんだ?看病に行こうかな」
「いや、ローラが来ると余計に具合が悪くなると言うか…。寝たらすぐ治るから!」
「私がいない方が良いの?やっぱり嫌いになっちゃったんだ…」
「だから!なんでそうなるの?」
ローラが猛ダッシュで家に帰ろうとしたので、ルークは慌てて追いかけました。
「待って!なんか誤解してるだろ?」
「眠いんでしょ?早く自分の家に帰って寝たら良いよ」
「誤解しないで?昨日寝られなかった理由だってローラの事ずっと考えてたからなんだよ…」
「私、お母さん似だから、ヤキモチ妬きなんだよ?お母さんもお父さんが素っ気ないと、いつもウジウジしてたし…」
「ヤキモチ妬かれるのは愛されてる証拠だよ?だから僕は今すごく嬉しい」
「私には良いところが一つもないから、ルークから愛されてる自信がないの!」
「僕から見たら良いところしかないよ?どうしてわかってくれないんだ…」
「今日は一回もキスしてもらってない…」
「あっ、そうだったね。どうしようか…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第172話。