ローラの横にリリムがいると聞いて、ルークは焦りました。
「ちょっ…、リリム姉さん!変な事、ローラに教えないでよ?」
「ルークが喜ぶって教えてもらったのに…。ルーク怒ってる?」
「怒ってないけど…困ってる!」
「ルークは水玉模様は…嫌い?」
「別に嫌いじゃないよ!むしろ…好きかも?」
「良かったー。リリムお姉さんが水玉模様じゃ色気が足りないって言うから…」
「リリム姉さんの言う事は無視して!ローラ」
「ジュリーは今蝶柄履いてるんだってー」
ジュリーまでいると聞いて更に焦ります。
「ジュリーもいるの?その情報はいらない…」
「でも蝶柄の方がセクシーかも?今見せてもらってる」
「ごめん、もう言霊は終わるね」
思念を飛ばすのをやめて、冷静になろうと深呼吸して心を落ち着けようとしました。
「ダメだ!水玉模様が頭を離れない」
結局、水玉模様で悶々としながら、一睡もできずに夜が明けてしまいました。虚ろな表情でリビングに行くと、アークは上機嫌でナタの記事を切り抜きしています。
「お父さん、今日はご機嫌だね」
「この横顔は実に良いアングルだ。絵師の腕が良いな」
「うーん、絵師の人がたまに街角で似顔絵描いてるけど、あんな短時間でよくあれだけ綺麗に描けるよね」
「こうやって保管しておけば、保存状態が良いままいつでも眺められるぞ」
アークは切り抜いたナタの似顔絵を小さな額縁に飾っています。
「僕もローラの似顔絵が欲しいなぁ。そうだ!今度、街角で絵師の人に描いてもらおうっと」
「似顔絵ならゲイザーが得意なようだよ?フラウの執務室にも飾ってあるだろ」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第162話。