しかしルークはアークの挑発には乗りません。
「さっき回避魔法も同時にかけてたの知ってるんだからな!攻撃を仕掛けても躱してノックアウトするつもりなんだろ?」
「やはり目敏く見抜いていたか…。ミカエル並の観察眼だ」
「このまま時間が経ってお父さんのかけた防衛魔法の効果が切れるのを待つ!」
「フン!仕掛けて来ないなら、こっちから行くぞ?我が息子とは思えないチキン戦法だ」
アークは素手で結界を殴り付けました。光属性の結界なので闇属性の相手にはダメージが大きいようです。
「ヴィッキーの時は物理耐性にしてたけど、これは闇耐性なのに素手で殴るなんて…。イカれてる!」
「手加減したのに破れてしまったよ。次はどうするつもりだ?」
結界が破れたのでルークは槍を構えて立っていました。しばらくは結界が張れないからです。
「今ので僕は一回死んでる。闇耐性なのにどうして…」
「九割ダメージカットされたようだが、お前のライフを十回削るダメージを与えただけさ?」
「て言う事は…僕は十回死んでるのか?こんなの絶対に勝てっこないじゃん!」
「さあ、攻撃を仕掛けて来い?」
ゴロゴロと夜空に雷が鳴り始めました。ルークは槍を避雷針代わりにして雷を落とします。雷を纏ってバチバチと火花を散らしていました。
「そんな上級魔法も使えたのか?それは僕がゲイザーを倒した技だよ」
「これは生まれつき使える魔法みたいだよ?お父さんから受け継いだのかもね」
「しかしそれを使ったらお前が感電してチェックメイトだよ?」
「お父さん知ってる?子供は親より進化した遺伝子を持ってるから、親より必ず優秀になるんだ。僕にはお父さんにない、お母さんの遺伝子もあるからさ!」
「ナタからも魔法を受け継いでると言う事か?見せてくれ、その魔法を…」
ルークが呪文を詠唱している間、アークは腕組みしたままで待っています。
「カラーリング魔法!金髪と青い眼に戻れ!」
「そんな魔法が一体なんの役に立つと…」
「役に立つよ?お父さん、元に戻ると弱体化するから」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第153話。