いつになく機嫌の悪いアークに、ルークは焦っていました。
「武器のせいにするのは弱者の言い訳だよ?なんならこの槍を貸してやる」
「ミカエル様の炎の剣があってもお父さんに勝てるわけないじゃないか!」
「ミカエルはあの剣を使っても僕に敗北しまくってたらしいがな。だが時間を巻き戻されては僕もいずれは負ける…」
「時間を戻しても僕には勝てる気がしない。僕がお父さんに勝てると本気で思っているの?」
「やってみないとわからないだろう?少し手加減してやるから、かかって来なさい」
アークが投げて床に転がっている槍を拾いましたが、重くて振り回すのが大変そうです。
「こんな重たい武器使った事ないし!使い物にならないよ」
「その程度で重いとか言ってるようじゃ、トレーニングを真面目にやっていなかったのがバレバレだよ?」
「なんでそんなに怒ってるの?僕が何したって言うんだよ」
「さっさとコインを投げろ。こんな事をしていたら夜が明けてしまう」
ルークはコイントスして床に落ちた瞬間に結界を張りました。アークは足元に落ちていた石ころを拾って投げつけます。バチバチッと音がして石ころは燃え尽きました。
「なかなか強い結界だ。僕にも簡単に破れそうにない。我が息子ながら天晴れだな」
「結界に関しては、お父さんより僕の方が上だよ?お父さんは特殊な結界は張れないんだろ」
「僕は攻撃魔法に特化しているからね。防衛魔法はそれほど得意じゃないんだ」
「攻撃魔法はほとんどやらずに、ずっとこれだけやって来たんだ。防衛魔法ではお父さんにも負けない!」
「威勢が良いのは大いに結構なのだが、守ってばかりでは勝てないよ?攻めて来なければ…」
「お父さんがさっきカウンター魔法をかけたの気づいてないと思ってるの?僕が攻撃したら反撃を受ける」
「なかなか良い観察力だ。ミカエルはカウンター魔法をかけると弱い攻撃を仕掛けていたよ」
「仕掛けた攻撃がそのまま跳ね返るから弱い攻撃を仕掛ければ良かったのか…」
「だから何か攻撃を仕掛けて来い?」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第152話。