ルークの体の一部が大きくなってるのをチラ見で確認してからローラは尋ねました。
「でもルークはしたくないって言ってたよね?それなのに命令なら聞くの」
「したいと思ってるけど、おじさんが許してくれないと思う。おじさんの信頼を裏切りたくないんだ」
「確かにお父さんがダメ!って言いそう」
「うん、だからしない」
「アカデミー卒業したら…するのかな?」
「その時にならないとわからないけど、多分」
「ルークとそう言う事するの想像できない…」
ルークはローラを抱き締めてキスすると帰宅しました。アークが玄関先で仁王立ちして待っています。
「遅い!今何時だと思ってるんだ?」
「ごめんなさい…。ちょっとおじさんに大事な話があって」
「どうせローラとイチャイチャしてて遅くなっただけだろう?」
「お父さん、今日はなんか機嫌悪いね?」
「最近たるんでるんじゃないか?毎晩のトレーニングもサボってるんだろう!」
「ちゃんとやってるよ?腹筋、背筋、片手腕立て伏せ左右、スクワットをワンセット各二百回でしょ」
「腕が鈍ってそうだから、今夜は僕が相手してやろう?付いて来い!」
コウモリの翼をバサッと開くとルークを抱えて城下地区の隣にあるアカデミーの屋上に降ろしました。
「試合開始はコイントスをして床に落ちた瞬間からだ。お前がコインを投げろ」
暗闇の中でアークは百ジェニー銅貨を投げて寄こしました。それをルークはキャッチします。二人の心眼が闇の中で紅く輝いています。
「お父さんの槍って確かオリハルコンでしょ」
「天界では一番弱い武器だが、人間界の物質ではないから、お前の武器では歯が立たないだろうな。素手で相手してやろう?」
「僕の戦闘力も考えてよ?こんなに歴然とした力の差があったら良い勝負なんて出来ないし!武器だって僕のは安物のフルーレだよ…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第151話。