ゲイザーがマルヴェールに帰って行くのを見送りながら、ミカエルはナタにお願いしました。
「私もまたカードに封印してもらえますか?」
「ミカエル様は私の使い魔にしたいくらいなのに…。おじさんにはもったいないよ?どうせ使いこなせてないんでしょ!」
「勇者ゲイザーの護衛が主要任務なのですよ。あとルシファーが暴走した場合の抹殺指令も受けてますね」
「ナタ、今のを聞いたか?こいつは僕の敵だ!僕たちの仲間にするのは反対だね…」
「でもアークが暴走しなきゃ抹殺しなくて良いんでしょ?問題ないわ」
「さっき僕たちがあの酒場に乗り込んだ時も、ミカエルはずっと炎の剣に手を掛けて、僕を抹殺する瞬間を伺っていたんだ…」
「あら?気付かれてましたか…」
「殺気を出し過ぎだ!僕のアカデミー主演男優賞並な演技力で乗り切ったが、冷や汗モノだったよ…」
炎の剣を持った天使の描かれたミカエルのカードを、ナタは胸の谷間に挟みました。
「今日はもう遅いから明日おじさんに渡すわ」
「早く家に帰って夕方の続きをしよう?」
「リリムはどうしたのかしら?酒場から出てこないけど…」
「ああ、多分食事中だろう。ほっておこう…」
酒場のゴロツキたちはリリムの悪魔のキスを受けて、エナジードレインされているところでした。
「ウフ、ごちそうさまぁ」
「姉ちゃん、あのお姫様より上手いなぁ」
「本番もお願いしたいぜ」
「あら?あんまり調子に乗ってると殺しちゃうわよぉ」
リリムがバチバチと黒い稲妻を発する球体を掌の上に出すと、ゴロツキたちは縮みあがりました。
「ヒェーッ!許してくれ…」
「私のバージンは勇者様のモノなんだから!」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第133話。