家に帰ったゲイザーは抱き抱えていたローラをソファーに降ろして言いました。
「ルークと大事な話があるから召喚してくれないか?」
ローラはコクリと頷いて胸の谷間からカードを取り出すとルークを召喚します。
「話があるから私の書斎に来なさい」
ルークは黙って付いて行きます。ゲイザーは書類を何枚か机の上に並べました。
「破邪の結界を張ったネックレスなんだが、結界石の相場がよくわからないけど、いくらなら売ってくれる?」
「あのネックレスを買ってくれるの?材料費は一万ジェニーもかかってないんだけど、印を刻むのが難しい…」
「あの結界はどんな原理になっているんだ?」
「うん、オーラの波動を数値化してあるんだけど、お母さんの宝石箱はユリアーノ様とかジュリーの波動に合わせると開く仕組み」
「なるほど…。あの結界は血縁者ならば誰でも開けられるような仕組みなのかな?」
「おじさんとローラは波動が同じだけど、ゲオルグお爺ちゃんは違うから無理だと思う」
「うーん、私も父上とは波長が合わないとよく感じるよ?」
「ゲオルグお爺ちゃんは光属性だしね。属性の波動もあるから違うんだと思う」
「では私の波動に合わせて結界石をオーダーメイド注文しても良いかな?」
「うん、良いよ?百万とかぼったくったら怒られるかな…」
「百万で良いなら契約するよ?分割でも構わないかな」
「本当に?僕のバイト代、ほとんどなくなっちゃったから、困ってたんだ」
「月三万の三十三回払いで手付金に一万振り込んでおくよ?この書類にサインして指紋を捺印して欲しい」
「うわぁ、なんでこんなにたくさん書類があるの?今までこんなたくさんサインした事なかったけど」
「十万を超える契約だからね。一枚で済むような契約は公的な文書ではないんだよ」
「そうだったんだ…。それで僕、何度も詐欺に遭ってたんだね」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第132話。