ゲイザーが書斎から出て行くと、リリムがフラウに尋ねました。
「こんな時間にどうしたのぉ?」
「変な夢を見てしまったの」
「夢なら私、専門家よぉ?淫夢を見せて男の精気を奪うのが私の特技だからぁ」
「どうしてあんな夢、見たのかしら?欲求不満なのかも…」
「ウフ、楽しそうな話が聞けそうねぇ。どんな夢を見たのか話して見なさぁい?分析してあげるわぁ」
「悪の組織に私とゲイザー様が捕まって、最初は私が男たちから襲われてたの」
「きゃっ!その設定、唆るわぁ」
「ゲイザー様は怒り狂ってたんだけど、私はただ黙って耐えてたので、今度はゲイザー様が女たちに襲われて…。でもゲイザー様は全く反応しなかったの!」
「勇者様の精神力なら可能でしょうねぇ。リアリティ抜群の夢だわぁ」
「その後、悪の組織に命令されて私がゲイザー様を…。ああ、続きが見たかった!」
「随分と重症な夢ねぇ。それって完全に欲求不満の表れだわぁ」
「リリム、夢の続きを見られる魔法って使えないの?」
「さっきの設定で夢を見せる事は出来るけど、私は男の精気しか吸えないから、あなたに淫夢を見せても私には何も得がないじゃなぁい?」
「何か欲しいものがあるの?リリム」
「欲しいものは勇者様の愛だけよぉ」
「それはあげられません!」
「じゃあ、夢も見せてあげなぁい!」
「はぁ…、こんな話をしても虚しいだけだわ」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第116話。