ゲイザーは昨晩あまりよく眠れなかったので、夕方から爆睡していました。フラウが帰宅します。
「ゲイザー様、もう寝てしまわれたのね。昨日は悩んでいたみたいだし、お願い出来なかったけど、明日こそは…!」
フラウはゲイザーに抱かれる妄想をしながら、眠りに就きましたが、悪夢に魘されて目が覚めました。
「おや、私のせいで起こしてしまいましたか?すみません」
「いえ、そうじゃなくて…。ちょっと怖い夢を見たんです」
「怖い夢…ですか?それはどんな夢だったのでしょう」
「黒づくめの男たちに拐われて、ゲイザー様が助けに来てくださるのですけど、ゲイザー様も悪の組織に捕らえられてしまって…」
「随分と生々しい夢ですね…。夢の中でも私は無力で助けられず申し訳ない気分ですよ」
「いえ、でもそんなに怖くはなかったんです。最後はその…もう少し続きを見たかった」
「ん?続きがあるのですか。結局、誰かに救われたのかな」
「私とゲイザー様は悪の組織に無理やり…。これ以上、言えません!」
「ふむ、夢は恐怖や願望の表れと言いますし、どうやら恐怖が表れたのだと推測しますが…」
「私の悩みが夢に出て来てしまったのかも…」
「私には話しづらいのでしたら、ミケーラさんにでも夢の続きについて、話を聞いてもらいますか?」
「ミケーラさんはなんとなく嫌です」
「そうですか…。ではリリムさんでどうでしょう?女性になら話せる内容かもしれませんし」
「うーん、リリムなら…。私の話を聞いて笑ったりしないかな」
「ではリリムさんを召喚しますので私の書斎で話してください」
書斎に移動すると金庫にしまってあったリリムのカードを取り出しました。
「リリムさん、こんな時間に呼び出して申し訳ありませんが、妻の悩みを聞いてやって欲しいのです」
「別に平気よぉ。魔族は夜行性だから月が出てる方が元気になるしぃ」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第115話。