ゲイザーは眠そうな目で無理して笑いながら言います。
「総帥の事を知ってるんだね。どうやら相当ヤバイ連中のようだよ?ユリアーノ様も手が出せないと仰ってた」
「僕のお父さんを総帥にしようとしてたみたいですね」
「アーク殿を?そんな事になったら…この国はもう終わりだ!」
「この証拠が残ってて良かった。お父さんに見せます」
「それは決定的な証拠にはならなくてね。もみ消されてしまったんだよ…」
「手口は大体、推測できます。おそらく身体交換の薬を使って、他の者に替え玉受験させたんでしょうね」
「受験会場には不正を見張る第一級魔術師もいたんだが、外部から来てもらってたので連盟とは無関係のようだよ?」
「その第一級魔術師が無能だったなら見分けがつきませんよ?オーラの色を変えられる者もいますからね」
「確かにそうだな。私も父上も魔術には詳しくないので、この事件にはお手上げだよ?」
「まあ僕が替え玉受験で身代わりをしても、アカデミーの教授たち程度の第一級魔術師なら、バレない自信がありますけどね」
「ルークならこの事件の真相を暴けるのか?」
「まだわかりませんけど、お父さんが帰ったら相談してみます」
「私には無理だったが、君とアーク殿がタッグを組めば解決できそうだね。期待しているよ」
「ローラに会って来ても良いですか?まだお父さんが帰る時間ではないので…」
「君とアウローラの交際はアーク殿に認めて欲しいとお願いされていたからね。会うのは止めないよ」
「と言う事は、お互いの親の公認なんですね。お母さんが離縁されて追い出されてから、この家に来るのを少し躊躇ってたんですが…」
「別に追い出したつもりはなかったんだが…。離縁してもナターシャは私の身内だと思っているよ?」
「戸籍を別々にする為だったんですよね?僕がローラの甥っ子のままだとまずいから…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第103話。