ジュリーに連れ去られて行く、ルークの姿のローラを先輩は見送りながら、絶叫しています。
「ああ!これが夢にまで見た三角関係の修羅場体験?幸せ過ぎて気絶しそう…」
少し離れた人気の少ない林の中で、ローラとジュリーは話しています。
「ジュリー、僕が浮気したから怒ってるの?」
「ルーク君はあの子の事を嫌ってたから、本気であんな事をするはずがないわ」
「ごめん!ほんの出来心だったんだ。本気じゃなくて、ちょっとほっぺにキスするだけのつもりで…」
「もう一つ、確かめたい事があるんだけど、良いかしら?」
「確かめたい事って…何かな?」
ジュリーは昨晩、ローラの体にした事と同じ事をルークの体にもしました。
「こう言う事…。やっぱりおかしい!大きくなってる」
「わぁ!本当に大きくなるんだ?ちょっとビックリした…」
「あなた、ローラでしょ?ルーク君と体を交換したのね!」
「どうしてバレちゃったの?ルークの真似して喋ってたのに…」
「昨日マルヴェール闘技場で、二人がこそこそ話してるのが聞こえたのよ?夕方家に帰って来たローラの様子がおかしかったし、ルーク君は私がいくら誘惑しても、そうならないのよ…」
「えっ、これをコントロールしてたの?お父さんもコントロール出来ないって言ってたんだけど」
「それをコントロール出来る人は魅了の術にかからないわ」
「お父さんは魅了の術にかからないってナタおばさまが言ってたんたけど」
「ものすごい精神力が必要なの。気を抜いたら誰でも魅了の術にかかっちゃうわ。だからルーク君は本当にすごいのよ?」
「でもルークは私にコントロール出来ないって言ってたんだけど、ルークが嘘ついてたの?」
「嘘じゃないと思う…。多分ローラの前だけはコントロール不能になっちゃうんでしょ」
「うーん、でもこれ…さっきからコントロールできなくて、どうやったら小さくなるの?私にはわかんない…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第79話。