執務室から逃げ出そうとしたグロリアを後ろから包み込むように抱き締めました。そして耳元にダンディーボイスで愛してるよと囁きます。
「これで許してもらえませんか?これ以上のファンサービスはちょっと…」
「ダーク様はハグのサービスはなさらなかったはずなのに…。どうして?」
「グロリアさんは特別ですよ。これからもフラウと仲良くしてあげてください。あっ、この事はフラウには話さないでもらえますか?」
グロリアはホクホク顔で執務室から出て行きました。すぐにアークが執務室に入って来ます。
「甘すぎるぞ?ゲイザー!僕ならあの女とは二度と関わるなと、フラウに釘を刺す」
「アーク殿、アラヴェスタに帰ったんじゃなかったんですか?」
「あの女から禍々しいオーラが出ていたから、部屋の外から話は聞いていたが、とんでもない腹黒さだ。あんな女とは縁を切った方が良い」
「私はそうは思いません。それにあのまま帰したら自殺でもされかねないと思いましたので」
「ふむ、それがお前のやり方か…。一つ勉強になったよ?」
「フラウには女友達が必要だと思うんですよ」
「あの女はいずれフラウを傷つける事になるかもしれない」
「その時は私が全力でフラウを支えます」
「僕は勇者であるお前を参考にして、世界を救う方法を学んでいるんだ。今の行動で誰かが救われたのだろう。流石だな?勇者ゲイザー!」
「そんな大した事はしていませんよ?大げさですね…」
アークの仕事が終わって家に帰ると、ナタがルークと一緒に待っていました。卑猥なジャケットのレコードが机の上に置いてあります。
「ほら、あなたからお父さんに説明しなさい」
「ううっ…、ごめんなさい!僕、まさかこんな裸の絵にされると思わなくて…」
「まさか…!レコードデビューの契約をしたのか?また九万九千九百九十九ジェニーで契約したんじゃないだろうな」
「お父さん、どうしてわかったの?」
「未成年者を騙すなんて…。摘発対象だな!」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第54話。