アークはいつになく機嫌が悪くなっています。
「服を着てモデルになったのにどうして出来上がったら、絵が裸にされてたのかわかんない」
「パパの言う事がどうして聞けなかったんだ?レコードデビューするのはダメだと、あれほど言っておいたはずなのに…」
「どうしてもお小遣いが欲しくて…」
「お小遣いが欲しければ、僕かナタに言えば良いだろう?」
「僕が自分で稼いだお金でなんとかしたかったんだ…」
「パパの顔にこれ以上、泥を塗らないでくれ」
「本当にごめんなさい!こんな事になるなんて思わなくて…。どうしよう、これ?もうお店にはたくさんレコードが並んでた」
「明日回収命令を出しても既に出回ってしまったレコードは回収困難だぞ?騎士団が自主提出を求めても差し出す者は少ないからな…」
翌朝ルークが憂鬱な気分で登校すると、いつもの男友達が話しかけて来ました。
「ルーク、ついにヌードモデルも始めたのか?あのジャケットには昨夜お世話になった」
「じゃじゃーん!俺もジャケ買いしてしまったよ?これはかなりエロいな」
「おお!これは…。学校まで持って来たら教授に没収されたりしないか?」
「こうして見てたら俺も欲しくなって来た…。お小遣い前借りして買おうっと」
「ううっ…!最悪だー」
その時、ルークの肩を教授がポンポンと叩きました。学校にレコードを持って来ていた男子は没収されています。卑猥なジャケットを学園長室の机の上に置かれていました。
「君は成績が良いから随分と大目に見て来たんだが、このジャケットに描かれている卑猥な姿は何かね?」
「そ、それは…。悪い大人に騙されて…。僕はちゃんと服を着てたんだけど…、出来上がったのを店で見たら…、こうなってました…」
「ふむ、そう言う事か…。しかし保護者が騒ぎ出すかもしれない。しばらく謹慎処分だ」
「またですか?内申に響くのかな…」
「もちろんだ。風紀を乱すような事は慎みたまえ」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第55話。