ナタはいつもの浮気を疑う目でアークを見ていました。
「ナタからは愛情しか感じない。怒っていても愛してるのはわかっているよ?」
「質問の答えになってないんですけど?」
「ミッシェルは僕に惚れてるようだった。でも僕はミッシェルに興味はない。これで答えになったかな?」
「やっぱりそうだったのね…。サルバドール王子の気持ちがわかるわ」
「リズもテオドールと仲良くしているミッシェルに嫉妬して、嫌がらせをしていたよ?」
「嫌がらせって…どんな?」
「ミッシェル用のドレスに針を仕込んでいた。危険なのですぐに取り除いておいたよ?」
「何それ?嫁いびりが怖すぎるんですけど…」
「フラウは心が綺麗だから、そんな事はしないだろうが、嫁と姑は大抵そんなものだ。僕が過去に支えた主人の嫁と姑もそうだったからな」
翌朝、ルークは女子制服を着て登校しました。アカデミーの席は特に決まっておらず、各自好きな席を取るのですが、いつもルークが座る席に座ります。
「おい、見ろよ?あんな可愛い子、うちの学校にいたっけ」
「あの席は確か…、いつもルークが座ってる席だったと思うけど、ルークの奴は優等生の癖に珍しく遅刻でもしたのか?」
「どっちでも良いよ?ルークがいたら、あの子も食っちまいそうだし」
「一体、ルークの奴は何人と寝てるんだろな」
「メサイアのアークも相当遊んでたらしいし、血は争えねぇんだろ?」
昼休みはローラがいる体術訓練場に行ってみる事にしました。女子部員同士で集まってランチにしています。ルークも購買で焼きたてパンを買って持って来ていました。
「あの子、入部希望の子かな?」
「こっちで一緒にお弁当食べるー?」
ルークはコクリと頷いてローラの隣に座りました。
「ものすごい可愛い子!これは襲いたくなる痴漢の気持ちがわかるわ」
「ローラったら何言ってるのよー。そんなもんわからなくても良いの」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第33話。