女の子の姿のルークは可愛く首を傾げました。
「打算的な考え方って何?」
「人の為に尽くすのではなく、自分の利益だけを考えて行動すると言う事さ?そこがどうも好きになれなくてね。ナタのような慈愛がない」
「それなら僕も打算的だよ?自分の利益にならない事はしないから。ジュリーみたいな女の子になりたいんだ」
「サニーも打算的な考え方をしていた。グロリアにも同じオーラを感じる。だから僕はあの二人はあまり好きではない。ナタやフラウを利用してメサイアに近づきたかっただけだ。仲良くするフリをして」
「そんな言い方やめてよ?フラウおばさまが聞いたら怒るわよ」
「ゲイザーは人が良すぎる。あの女をフラウの親友だと思い込んでいるからな」
「はぁ…、アークと話してると疲れるわ」
「テオドールの妻のリズ、息子のサルバドールやその妻のミッシェルもあまり良いオーラを感じない」
「どうせアークにしてみたら、人間なんてほとんどそう見えるんでしょ?」
「ああ、人間の九割以上が良くないオーラの持ち主だよ?」
「僕もアカデミーの女の子はほとんどオーラが汚くて興味ないよ?この前付き合ってた子もドス黒いヘドロのようなオーラが渦巻いてた…」
「ローラのオーラも黒だけど、おじさんと同じで夜空みたいな綺麗な色なのよね。星のような光が瞬いていたり、虹色を纏っているし」
「うん、僕はローラのオーラを眺めるのが好きなんだ。あまりにも綺麗で見ていると吸い込まれてしまいそうになる」
「ジュリーは今のところ、悪しき心は持っていないようだが、ローラほど澄んだオーラではないので注意が必要だと思う」
「キンダーガートンの頃はオーラが綺麗な子も結構いたんだけど、アカデミーに入ってから、五年生くらいになると、オーラが穢れて来てるね」
「サルバドール王子も昔遊んであげてた頃は良い子だったんだけどね」
「僕がミッシェルと廊下で話していただけで睨んでいたよ?ドス黒いオーラを出してね」
「そのミッシェルって子はどうなのよ?まさかアークに惚れてるんじゃ…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第32話。