ナタが帰宅すると金髪の美少女がアーク夫妻の家にいました。ナタは見覚えのない顔なので首を傾げています。
「あなたはどこのどなた?」
「お母さんには僕がわからないの?」
「まさか…!そのオーラは…。ルークなの?」
「バイト代で服は買ったけど、化粧の仕方がわからないから、教えてくれる?お母さん」
「ルークに女装の趣味があったなんて…知らなかったわ…。しかも私より可愛い…」
ルークは後ろで縛っていた髪を解いて、サラサラのロングストレートヘアに、フェミニン系の嫌味のない清楚な感じの服をコーディネートしていました。
「性転換魔法で女になって街を歩いてたら、変な男が声をかけてくるから、追い払うのが大変だったよ?」
「私も若い頃はよく街で声をかけられたけど、最近は減ってきたわね。もう私も三十二歳だし…」
「ジュリーは髪にウェーブがかかってたから真似した方が良いかな?」
「ストレートの方が素敵だと思うけど?でも人の好みによるわね。うちの美容室ではストレートの方が人気だけど、わざわざ髪にウェーブをかけに来る人もいるわ」
アークも帰宅して絶句しています。心眼ですぐにルークだと見抜いていました。
「ルーク。一体、何があった?悩んでいるなら相談に乗るぞ…」
「そんなに驚かなくても…」
「そうよ?ルークに女装の趣味があったとしても認めてあげましょう」
「僕は一体、どこで育て方を間違えたんだ?なぜうちの子がこんな事に…」
「実はローラがジュリーの事を好きだって言うんだ。だから僕が女の子になれば好きになってもらえるんじゃないかな?って」
「あはは!私もそう言う時期があったわ。アカデミーの頃はサニーちゃんが好きだったの。でも一時的なものだったから、今は何とも思ってないよ」
「ああ、あのサニーって子は僕の苦手なタイプだったよ…」
「ジュリーはオーラも綺麗だし、ローラほどではないけど、嫌いじゃないよ?」
「ジュリーは僕もそれほど嫌いではないな。ナタほど綺麗なオーラではないが、話した感じはどうも打算的な考え方をするようだ」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第31話。