ルークがオドオドしながら話しているので、不思議に感じてこう尋ねられます。
「しかしルシファー様は噂に聞いていたお方と違うように感じますね」
「えっ…!どこか噂と違いますか?変だな…」
「思っていたより人間味があって、丸いお方なのだなぁと感じています。噂では冷静沈着で機械のように感情のないお方だと聞いていて…」
「そんな時期もありましたね。貧しい生活を長く続けて来たので、丸くなったのかもしれません」
「なるほど…。お話をして来て慈悲深くて心優しいお方なのだとわかりました。ようこそ我が連盟へ。歓迎しますよ」
「これからどうぞよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
ルークが立ち上がって頭を下げたので、魔術師の男は跪いてもっと深く頭を下げました。ナタの使い魔のルーシーを郊外に待たせていたのでつけて来ていた追っ手はまかれてしまいます。ルークはマルヴェールに帰宅して、リビングの机の上に二千万の札束を並べていました。
「見てよ?この札束!すごいでしょ」
「これだけあったら…僕の好物のナゲット、お腹いっぱい食べられる」
「ナゲットなんか食べないで、もっと豪華なターキーでも食べようよ」
「ターキーなんて食った事ねぇよ?」
「これからは好きなものなんでも買えるようになるね」
ナタがフラウに支えられて、二階から降りて来ました。
「何を騒いでるのかと思ったら…。このお金はどうしたの!ルーク?」
「契約書にサインしたらもらえたんだ。あとで銀行に八千万も振り込まれるって!」
「今すぐ返して来なさい!」
「どうして?僕が総帥になれば、こんな貧乏生活とはおさらばできるんだよ!サルバドールだって喜んでるし」
「私はおじさんの言葉を全部記憶してるの。その記憶を繋ぎ合わせて、おじさんが何を言うか大体、予測できる。このお金は受け取っちゃダメだと言うの!」
「おじさんはどうしてそんな事を言うのかな?僕にはわかんないよ…」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第54話。