ルークはゲイザーのような考え込むポーズを取りました。アークもよくしていたポーズです。
「少し考えさせてください。貴方の邸に後でお返事に伺いますので…」
「良いお返事を期待して待っております」
この日はとりあえずナタとルークとサルバドールはマルヴェールに無事、帰還しました。
「ルーク、絶対にダメだからね?あなたはまだ未成年者なんだから働いてはいけないの」
「でも僕、早く働いてお母さんの事、ラクにしてあげたいんだ。今この家で働いてるのってフラウさんだけでしょ?」
「僕もアルバイトはしてるんだけど給料は少ない」
「それに僕はこのままだとアカデミーにも通えないからロクな仕事に就けない」
「才能があるからどんな仕事でも出来るわよ」
「お母さんは働いた事がないから知らないのかもしれないけど、就職氷河期だから新卒がほとんどまともな仕事に就けないって知ってた?」
「それなら尚更、アカデミーに行く必要ないじゃない?はい、この話はもう終わり」
ナタは疲れていたので、フラウに頼んでお風呂に入れてもらうと、すぐフラウの部屋で寝てしまって、リビングに降りて来たフラウが申し訳なさそうに言います。
「貧しい暮らしをさせててごめんなさいね。ゲイザー様の遺志を継いで税金は上げたくないのよ」
「マルヴェールの税金はほとんど国の為に使っちゃってるんでしょ?知ってるよ…」
「私一人で何とか頑張ってるけど、これ以上はキツイわね」
「やっぱり僕、総帥になるよ?お母さんは反対してたけど、高い給料をくれるって言ってた」
「お前…まだ九歳なのに総帥って…。ヤバくないか?」
「なんとかなるよー!みんな僕の顔見ただけでビビってたのはサルバドールも見てたよね?」
「ビビりたくなる気持ちはわからなくもないかな。お前の父親はマジでやべぇから」
「ナターシャちゃんは反対してるんでしょ?」
「フラウさんも反対なの?僕が第一級魔術師連盟の総帥になる事を…」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第49話。