フラウは苦笑いしながら答えました。
「正直言うと働き手が増えるのは嬉しいわ。サルバドールが少しだけでもお給料を家に入れてくれて助かってるのよ」
「サルバドール、そんな事をしてたの?」
「うーん、彼女でも出来たら給料使う気にもなるんだけど、自分の為に使うのもなんだかなぁって思ってさ…」
「やっぱり僕も働くって決めた!サルバドールだけ頑張ってたなんて知ったら、僕も頑張らないとダメだと思うよ?」
「お前はまだ九歳だから頑張らなくて良いよ?僕も九歳の頃は働いてなかったし…」
「せっかく魔法で大人になれるのに働かないなんてもったいないよ!大人のフリしてれば稼げるなら僕も働きたいし」
次の日、ルークはアークになりすまして、あの邸へ行きました。メイドがルークの顔を見ると嬉しそうにドアを開けて、中に招き入れます。
「ご主人様がお待ちになっております。どうぞこちらへ…」
「またお会いしましたね!」
「お会いできて嬉しいです。ご主人様がこれから何度も会えるだろうって仰ってました」
「うーん、僕が断らないって自信があったのかな」
「くれぐれもルシファー様に粗相のないようにと仰せつかっています」
メイドはポッと顔を赤らめました。ルークはメイドの言ってる意味がよくわかっていません。
「ルシファー様!よくぞ、我が邸へお越しくださいました」
「お約束していたので、例えお断りするつもりでも、一度は伺う気でいましたよ?」
「それで昨日のお返事の方は…」
「妻のナターシャには反対されましたが、僕が働いていないので生活がとても苦しくて悩んでいたのです」
「そうでしょうね…。どこに暮らしておられるのかまではわかりませんが、集合住宅はどこも家賃が高いですし、夫の収入がないと苦しいのは目に見えています…」
「一つ質問が…。総帥の仕事内容について伺ってもよろしいでしょうか?僕に出来るような事ならば良いのですが…」
「椅子に座ってニコニコしていれば良いだけです」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第50話。