強力な結界の張られた特殊なテントの隙間からピーターは中に潜り込みました。
「あんなところから出入りしてるのか!」
「この結界は雑魚モンスターには反応しないようだな」
「いや、これは…!魔力の高い者ほど反動が強く出る結界ですね?それならサルバドールには簡単に破れるだろう…」
「ん?僕がこのテントを破れば良いのか」
サルバドールがフルーレを構えてテントに斬りつけると、あっさりテントは破れました。
「すごい…。一目見ただけで結界の種類を見破るなんて、並の魔術師には真似できない」
ルークはナタに近づいて抱き起こします。サルバドールも一緒に助け起こしました。ナタは狸寝入りをやめて言いました。
「あなたたちがこんなに早く助けに来るなんて思わなかったわ…。どうやって見つけたの?」
「では家に連れて帰ります。道を開けてください」
「待ってください!実はお願いがあるのです」
「人に物を頼む時はこんな事をしてはいけないですよ?アカデミーではそんな事も教わらないのですか…」
「あなたを我が第一級魔術師連盟の総帥に迎えたいのです」
「元凶悪犯罪者の僕を総帥に?悪いご冗談はやめてください…」
「もちろん影のフィクサーとしてですが…。表向きには別の者が現在の総帥に就任しております」
「そんな事をして一体、何のメリットがあるのです?」
「メリットならあります。あのルシファー・マルヴェールが影のフィクサーである…と言うだけで畏れおののき、我々には向かう気力を失う事でしょう」
「もし仮に影のフィクサーになったとして、僕には魔術師に支払われる、給料は出るのでしょうか?」
「もちろんです!総帥ならばそれなりの収入になりますよ」
「悪い話じゃありませんね…。家計が火の車なのですよ…」
「ダメよ?そんな汚い事で稼ごうとしたら…」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第48話。