二日間の有給を取って眼鏡の女性はブティックで服を買い漁りました。
「お客様、眼鏡も取っちゃった方が素敵になりますよー?」
「これは伊達眼鏡ではないのよ。取ると何も見えなくなってしまうわ」
「こんなにたくさん買ってくださるなんて…。嬉しいですー!」
「どれが良いのかわからないの」
「よろしければコーディネートしますよー?」
真っ赤な服を勝手に追加されました。
「そう?でもこれは、ちょっと派手じゃないかしら…」
「お客様はお選びになるお服の色がシックですから、派手な色の方がお似合いになると思いますよー」
「初めてのデートだから失敗したくないの…」
「デートなんですね!だったらいつもと違う自分を見せた方がお相手の心をギュッと掴めますよー?」
「本当に?じゃあ、この赤い服も貰うわ」
「ありがとうございまーす!合計で三十九万になりますね」
「服って結構お高いのね…」
「フルコーデで何着もお買い上げになられましたので」
「これから何度も着る事になるから、投資だと思えば安いものよね?」
「そうですよー!デート頑張ってくださいね」
更にファッション雑誌も買って勉強しました。夜もほとんど眠れずに三日後を迎えます。結局一晩悩み抜いた末、真っ赤な服を着て噴水広場に行きました。他の服は地味だったからです。
「そんな服も着られるんですね。意外でした」
「やっぱり似合ってないかしら…?」
「いつも着ている黒い服も似合ってましたが、赤い服もよく似合っていますよ」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第35話。