ミッシェルも一緒に仕事をサボっていますが、もうそれどころではなくなっていました。
「敵に塩を送るわけないでしょ?先輩が自分で考えてください!ファッション雑誌でも買ったらどうですかー」
「ファッション雑誌なんか買った事ないわ…」
「私だってデートの約束した後、今までほとんど使わなかった貯金をはたいて、ブティックに行って服を買いまくったんですよ!」
「そ、そうなの?貯金なら結構あるわ。仕事が終わったらブティックに行って来ようかな…」
「ブティックも閉まっちゃう時間だと思いますけどー」
「ミッシェル、私に意地悪言わないで…」
「意地悪なのは先輩の方じゃないですかー?」
「有給を使って買いに行くわ!」
「先輩、私が有給使うと文句言ってた癖に…」
「ごめんなさい。有給は使う為にあるのよね?私の考え方が間違ってたわ」
「先輩の言葉とは思えないわ…」
ルークが受付にやって来ると、いつものようにキリッとした姿勢を保ちました。
「これを三日間、貸し出しお願いします」
「あの…三日後は休館日なので、四日後になりますね」
「あっ、そうでしたね。うっかりしてました」
「えっと、その…三日後は私も休日なので、お食事のお誘いをお受けできます」
「本当ですか?では、三日後の正午に噴水広場で、お待ちしています」
ルークが帰ってから有給届けを出す為に館長の執務室に行きました。この前の資料持ち出しの件以来、警備員が部屋の前で常駐しています。
「君が有給を使うなんて…ご親族にご不幸でもあったのかね?」
「いえ、一身上の都合で申し訳ありません!」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第34話。