ルークが難しげな本を何冊か持って受付にやって来ます。ルークと目が合うと先輩の女性も少しそわそわし始めました。
「これを三日間貸し出していただけますか?」
「三日間で読めなかった場合でも返却していただけるなら」
「大丈夫です。三日あれば十分読めますから」
「わかりました。返却期限は必ず守ってくださいね?」
「もし破った場合はどうなるのですか?」
「騎士団に頼んでゲオルグ様のお宅へ取りに伺うかもしれませんね?」
「それはちょっと困りますね…」
「冗談ですよ?本気にしないでください」
「あなたが冗談を言われる方だとは思いませんでした」
「私も冗談は嫌いです」
「あなたとは気が合いそうですよ?」
ルークが図書館から出て行くと、先輩の女性も胸の高鳴りを抑えようと胸に手を当てて、深呼吸していました。
「あれ…先輩もあのお方にメロメロじゃないですか?」
「ち、違います!これはただ…動悸が激しくなって…」
「好きだからドキドキするんですよー?」
「こ、こんな事は今までなかったのに…」
「私だって今までこんな気持ちにされた事なかったんです」
「ああ、どうしましょう?三日後にまたゲオルグ様が来た時、私はなんて答えたら良いの…」
「答えるって…まさか!先輩、あのお方と休日にお食事に行くつもりですか?」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第32話。