ルークの追っかけの女性たちが図書館のテーブルを占領してぺちゃくちゃ喋っています。
「ねぇ、あれって劇団俳優の誰かなのかな?」
「あんなイケメン、どこの劇団にいたっけ?」
「どこかにいたら絶対、覚えてるって!吟遊詩人にも見かけなかったし…」
「でもどこかで見た事あるような…。思い出せなくてモヤモヤする!」
眼鏡の縁をクイッと上げながら先輩の女性が注意に行きました。
「他のご利用者様のご迷惑になりますので、館内ではお静かにお願い致します」
「えーっ、他の人なんてほとんどいないじゃない?別に良いじゃん!」
「良くありません。ルールが守れない方は退館していただきますよ?」
「ルール、ルールってうるさいのよ?おばさんはー!」
「従わないならば騎士団に電報で連絡を入れます」
女性たちが文句を言いながら出て行くと、ルークは先輩の女性にニッコリ笑いかけて言いました。
「ありがとうございます。うるさくて集中出来なかったんですよ?本当に助かりました」
「い、いえ…。当然の事をしたまでです」
少し頰を赤らめながら先輩の女性が受付に戻って来ると、ミッシェルが恨めしそうにボソッと呟きました。
「先輩、またあのお方に話しかけられてましたね。先輩の事が好きなのかな?」
「ああいうのを営業トークと言うのです。あの手の軽そうな男には多いので気をつけた方が良いですよ?」
「そんな感じには見えなかったです。お友達と一緒に夜の街に行った時に声をかけて来た軽い男は、もっとしつこくて嫌な感じがしました」
「あなた、夜の街に遊びに行ったりしてるの?まだ十九なんでしょ!お酒も飲めない癖に…」
「私もそう言ったんだけど、お友達が大丈夫だって言って無理やり…」
「あなたはノーと言えるようになった方が良いですよ?私のように毅然とした態度で!」
「私にはそれが一番難しいです…。でもあのお方の好みのタイプが先輩なら頑張らなきゃ!」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第31話。