ショーンはアプリィの胸の谷間から身を乗り出して看板を指差しながら口を尖らせて言いました。
「ここに小人四百ジェニーって書いてあるでしょ」
「こ、小人!本物?寝不足で幻覚が見えてるのだろうか…」
アプリィはショーンの頭を無理やり手で押し込むと券売窓口の売り子に言いました。
「大人、一枚だけで良いです!」
テーマパークの中に入るとショーンは不機嫌になっていました。
「小さいからって僕を無視するなんて失礼な奴だな!」
「ショーン、人間の街では目立たないように静かにしてて?人間がビックリして大騒ぎになってしまうから…」
「アプリィがそう言うなら…わかったよ」
ショーンは息を殺してアプリィの胸の谷間にうずくまりました。魔法の力でクルクル回っているゴンドラがあります。
「観覧車だわ!あれに乗りましょう?あの中なら声が漏れないから、人間に気を遣わずにデート出来るわ」
「本当に?早く、行こう!」
観覧車は待ち時間が異常に長くて、ショーンは退屈しながらアプリィの胸の谷間で大人しくしていました。
「やっと二人っきりになれたね」
「人間の街ってなんかつまんないなぁ…」
「そう?私はこの遊園地に連れて来てもらえるのが大好きだったんだけど…。ショーンにはつまらなかったみたいね」
観覧車が一番上まで来ると遠くの景色までよく見えます。ショーンが目をキラキラ輝かせながら身を乗り出しました。
「うわぁ!こんな高いところに来たのは初めてかも?小人の国より高い場所だねー」
「えっ!小人の国はどこにあるの?」
「大きな樹の上にあるんだ。ほら、ここからよく見える。あの丘の上にある一番大きな樹が小人の国だよ」
「あれが小人の国だったの?知らなかった…」
「あっ!アプリィの家も見えるね。見てごらん?あんなに小さいや」
「本当に小さい…。小人の国の家はもっと小さいのかな?」
「小人の国は家はないよ?樹の中に穴をあけて住んでるからね」
…つづく
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昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、第4話