アプリィは一人で長い間暮らしていたので、同居人が出来るのが嬉しくてはしゃいでいます。
「もちろん歓迎よ?ショーンが飽きるまで好きなだけ、ここに居てくれたら良いわ」
「アプリィは美人だし、食べ物は美味しいし、ずっと帰りたくないくらいだよ」
「でもおうちの人は心配しないのかな?」
「僕はこう見えても立派な大人なんだ!」
「そうだったの?子供に見えたわ。ごめんなさい」
「だから自分がどこで暮らすか決める権利がある」
「そうね、人間も十五から自分がどこで暮らすか決める権利があるの」
「アプリィは人間じゃないよね?耳が少しだけ尖ってるし」
「うん、でも十五までは人間の世界にいたの。お父さんは人間だったから」
「そうなんだ?でも今は一緒に暮らしてないんだね…」
「十五までって言ったけど、ハーフエルフは五年に一度しか歳を取らないから、七十五年間は人間の街で暮らしてたんだけど、お父さんは先に死んでしまったの…」
「驚いた!君はそんなに年寄りだったなんて」
「私が六十くらいでお父さんは亡くなってしまって、エルフのお母さんが一人で育ててくれたんだけど、いつまで経っても若いままのお母さんや子供のままの私を見て気味悪がって、人間からいじめを受けたのよ…」
「それで七十五歳からは、君はここで暮らし始めたんだね」
「ううん、エルフの里に帰ったんだけど、お母さんは純血のエルフだからエルフの里に住む事を認めてもらえたけど、私はハーフエルフだからエルフの里に住むことは許されなくて、お母さんと一緒にしばらくはここで暮らしていたの」
「それでお母さんはどうなったの?」
「純血のエルフのお母さんは十年に一度しか歳を取らないから、私は百歳で人間の二十歳くらいだけど、お母さんは二百八十歳だから、人間の二十八歳くらいなの」
「ふーん、きっとアプリィにそっくりでお母さんも綺麗なんだろうね」
…つづく
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昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、第2話。