初戦はジンもイノンドも難なく勝利しました。
「思ってたより強い相手じゃなかったよ?弱過ぎてすぐ試合が終わったからウォーミングアップにもならなかった…」
「私の方も緊張していた割には上手く立ち回れました」
「イノンドが相手じゃ敵が可哀想だな。同情するぜ…」
「私はジンジャー殿ほどの優れた能力は持ち合わせておりませんよ?」
「なんでこう実力のある奴ほど謙虚なのか…」
「本気を出されたジンジャー殿に勝てる気がしないのです」
「今はこの義手で昔と変わらない強さは戻って来たけど、メリッサの魔力は戻って来てないからなぁ」
「メリッサの魔力などなくても、ジンジャー殿には持って生まれた剣術のセンスが備わっているように思えるのです」
「俺は剣術の才能があるかどうかわからないけど、やってみたらなんとなく出来たってだけなんだけどな」
「やってみたらなんとなく出来てしまう時点で才能なのだと思いますよ?」
「そうなのか?かなり適当な奴って周りには言われてるんだけどなぁ」
「本当に適当にやっても出来るのは天才だけだと思います」
「なんかどっかの偉い人が天才は努力しないとなれないって言ってた気がするから、努力はしてた気はするよ」
「ええ、努力しても報われるわけではありませんが、天才はほぼ確実に努力していないとなれません」
「努力しないで文句ばっかり言ってる奴はダメな奴だなって思ってる」
「私は努力はして来ましたが、天才ではないので報われる事がなかったのです」
「イノンドの場合は要領が悪くて貧乏くじ引いてただけのような気がするぞ?」
「私は本当に才能がないのです。努力でカバーしてなんとかやって来ただけの人間なので…」
…つづく
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処女作の復刻版、第83話です。オオカミ姫とは無関係のオリジナル小説ですが、これを掲載する前に書いていた、オオカミ姫の二次創作とかなり設定が酷似しています。