No.980992

左利きの魔剣士74

リュートさん

処女作の復刻版、第74話です。オオカミ姫とは無関係のオリジナル小説ですが、これを掲載する前に書いていた、オオカミ姫の二次創作とかなり設定が酷似しています。

登録タグはありません

2019-01-19 12:11:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:221   閲覧ユーザー数:221

ジンは腹を割って話す事にしました。

 

「そうか。実はお前の性格が良いと聞いて話しかけたんだ」

 

「やっぱりー?それで私が思ったほど性格良くなかったりしたら、その男はこう思うんじゃないかな。他人を性格が良いって言ってたその子の方が性格良いって…」

 

「ただお前の性格が良いと言ってる侍女が複数いたのも事実だし、今お前と話して見て意外に良い女かもしれない…と俺は感じたんだが?」

 

「勇者様は考え方が変わってるんだよー」

 

「ちょっと頼まれて欲しい事があるんだ」

 

「お願い聞いたら勇者様は私に何かしてくれるのー?」

 

「俺は何も出来ないが頼みを聞いてくれれば、お前の望み通りに何でも手に入るようになる」

 

「えーっ、それってどう言う事?なんか詐欺くさいんですけどー。私、騙されないからねー」

 

「これは浮気草と言う魔法の草なんだ。浮気草の汁を王子が寝ている隙に目蓋に塗って、目が覚めた時に見た者を王子は好きになるんだよ」

 

浮気草を手渡しながら侍女に説明します。

 

「すごい!でもどうして勇者様はそんな魔法の草を私にくれるんですか?」

 

「ユーカリ姫を助けたいんだ。王子がお前に夢中になればユーカリ姫を救い出せる。やってくれるか?お前にしか頼めないんだ…」

 

「王子と結婚したらファーストレディになれるんでしょ?こんな美味しい話なんか他にないじゃん!」

 

侍女は言われた通り、すり鉢とすりこぎで浮気草をすり潰すと、お昼寝中の王子の瞼にその汁を塗りました。ドキドキしながら王子が目覚めるのを待ちます。

 

「其の方はなんと美しいんだ!こんな美しい侍女がいたなんて…今まで気付かなかったぞ?」

 

「美しいだなんて…嬉しいですー!王子」

 

フィアンセのユーカリ姫を差し置いてトントン拍子で婚礼の儀の準備が整いました。

 

「これはどう言う事なの?」

 

「ユーカリ姫は予知能力があるからわかってるかと思ってたんだけど」

 

「あなたの仕業だったのね、勇者ジンジャー」

 

「これであんたとイノンドは結ばれるだろう」

 

…つづく


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択