しかしユーカリ姫は喜ぶどころか、怒り狂っています。
「余計な事しないで!」
「どうしてあんたはこうなる事が予知できなかったんだ?」
「自分の未来は見えないのよ!ディルが死ぬ未来が見えたから別れただけだもの?」
「じゃあ今から起こる未来を見てみろよ?幸せに暮らせてるんじゃないか」
「こんなの絶対におかしい!こんな未来、ついこの前まで見えなかったのに…」
「俺が未来を変えたからさ?良い未来が見えたようだな…」
「めちゃくちゃよ?あなた、バカなの…」
セルフィーユ王子はユーカリ姫に興味を示さなくなってしまったので、ユーカリ姫とイノンドは護衛の名目でセルフィーユの街をデート出来るようになりました。ユーカリ姫はむくれっ面になっています。
「姫さま、ご機嫌を直してください」
「別に!機嫌悪くなんかないわよ?」
「今日はいかがなさいましょう?ご命令を…」
「そうね、久しぶりにアレが食べたいわ」
「はっ!アレでございますね?」
ユーカリ姫とイノンドはツーカーの仲で通じ合う為、周りが聞いても意味がわからない会話でも通じ合ってしまいます。遠くから見ていたジンとルリも跡を付けていました。
「あれは…!海の向こうの遥か遠くにあると言われてる、日出づる国の食べ物だそうね。確か『桜餅』とか言う名前よ?」
「ルリはスイーツに詳しいんだな?」
「中に入っている豆のジャムが絶品なの。周りのピンク色のケーキは米で出来てるそうよ?」
ジンはなんとなくイノンドと同じものを買ってルリと二人で歩きながら食べました。
「初めて食べたけどうめぇなぁ」
「あんた、うまい!しか言わないじゃない?」
「まずいものはまずいって言うよ?」
…つづく
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処女作の復刻版、第75話です。オオカミ姫とは無関係のオリジナル小説ですが、これを掲載する前に書いていた、オオカミ姫の二次創作とかなり設定が酷似しています。