アークは突然、立ち上がるとフラウの方へ近付きました。フラウは驚いて立ち上がり距離を取ります。
「なぜ逃げる?僕が怖いのか…」
「怖いわけじゃなくて、あなたは何をするかわからないから…」
「それは怖がってるからだろう?サルバドールも僕から逃げる」
「あの子はあなたを尊敬しているわ。話していればわかるのよ」
「怖がっていないなら逃げるな!ナタは僕から逃げない…。それだけが救いだ」
「わかったわ!逃げないから、落ち着いて?」
アークはフラウの腕を掴むと引き寄せて抱き締めました。フラウはドキドキが収まりません。
「こうなるってわかってたから逃げたのよ…」
「嫌なら暴れれば良い。君の方が僕より腕力が上だよ」
「か弱い女性に対して、その言い方はちょっと失礼じゃない?」
「嫌がってないのはわかってるんだ」
「そうね、あなたの心眼でわかるんでしょ?だから私は嫌がってるの」
「君は今、喜んでるんだろう?なぜ嘘をつく」
「好きだから困るの。嫌いだったらひっぱたいて終わりだけど」
「心眼で見えてるはずなのに…女心がわからない」
「ゲイザー様ならこんな事、絶対にしないわ。だから安心できるの。この人のそばにいたいって」
「僕にはどうしてもわからないから教えて欲しい。どうしたらナタから愛されるかを…」
「そうね、こう言う事するのをやめたら良いかもしれないわ」
「こう言う事?どう言う事だ…」
「好きでもない女に手を出すのはやめろって事よ」
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第93話。