ナタが飛び出して行った後にアークは更に落ち込んでいました。
「どうして僕はどうでも良い女には好かれるのに、本気で好きになった女からはいつも相手にされないんだ…」
「それって多分、パパが負けず嫌いだからじゃなぁい?自分の思い通りにならないから、余計にハマっちゃうんだと思うわぁ」
「まあ確かに簡単に落とせる警備の手薄な一般の民家より、鉄壁の守りで難攻不落の要塞を落とす方が楽しいと感じる…」
「ところであの占い師ミケーラって、パパの元親友のミカエルが変装してるっぽいわねぇ?」
「ああ、あんな馬鹿みたいにインテリのステが高いのはミカエル以外にいない。ディテールを見て一発でわかった。あれでバレないと思っていたのか?天界一のブレインが聞いて呆れる」
「パパが死んだ後に私を引き取って育ててくれたのがミカエルだったんだけど、あの頃まだ百歳の子供だった私にもわかったわよぉ。ミカエルはパパに気があるのぉ?って」
「僕もそれくらい気付いてたさ?ミカエルが男だと思っていたから、相手にしていなかったんだが、ミケーラの態度を見てると…どうやらゲイザーに乗り換えたらしい」
「えええっ!そうなんだぁ」
「ミケーラの奴、わざと僕にリリムを引き合わせる為に、ゲイザーに嘘の情報を与えたのは一体、何を企んでいたんだ?」
「ミカエルならあの洞窟が私の寝床だって知ってたしぃ。私が勇者さまに惚れちゃうのを計算してたのかもねぇ。流石、天界一のブレインを持つ者」
「くっ…!ゲイザーの奴、ナタだけじゃなくリリムまで僕から奪うのか?」
「やだぁ!パパったら私がパパの事、嫌いになっちゃったと思ったのぉ?そんなわけないじゃなぁい」
「でもリリムはゲイザーの応援席にいたじゃないか?パパの事なんて…もうどうでも良いんだろう?」
「パパの応援席は全部埋まってたから、仕方なく勇者さまの応援席に座っただけよぉ?席が空いてたらパパの応援席に座るに決まってるじゃなぁい」
「本当かい?リリムはパパの事を応援してくれるんだね…」
「当たり前じゃなぁい?恋人が出来たってパパの応援を優先するわぁ。あのナターシャって子もそうしてたじゃなぁい?」
「ナタが僕ではなくゲイザーの応援席に座ったのは僕を愛してなかったからではないのか?」
「そんなの当然でしょ?初恋の相手と二番目に好きになった相手じゃ、初恋の相手の方が格上よぉ?」
「僕は二番目なんだな…。一番が良かった…」
「私、初恋の相手がパパだったから、他の男を好きになれなくて、二千年も悩んでたんだからねっ!パパも少しは反省しなさぁい?女心を弄んだ天罰よっ!」
めでたし、めでたし。
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き最終話です。