ゲイザーは大きなため息を漏らしました。
「ラミアの鱗は諦めましょう…。フラウ」
「ここまで来て…諦めるなんて嫌です!」
「なぜです?僕を家に置くだけで良い。そうすればラミアの尻尾をいくらでも魔法で作り出して差し上げます。悪い条件ではないはずだ…」
「契約は守られなければ意味がない。ここで私があなたを家に置く事を許してしまったら、契約した意味がなくなってしまう」
「なんと言う頑固な石頭なんだ!あれは僕を苦しめるのが目的で結んだ契約なのか?元アラヴェスタ国王を檻の中に十年も閉じ込めて、女を抱けない苦痛を味わわせているように…」
「元国王は十年前、女性を毎日のように好きなだけ抱いていましたから、私の想像を絶する苦痛を味わっている事でしょうね」
「僕が今、お前に与えられている苦痛も想像を絶すると思わないのか?もう我慢の限界だ!」
「さて、そろそろマルヴェールへ帰りましょうか?仕事が溜まっていますし…」
「待て!僕の話はまだ終わっていない…」
「待ってよー!私も連れてってー?勇者さま」
リリムがゲイザーの体に抱きつきました。
「リリムさん、胸が当たっています…。私から離れてください」
「あなたってよく見るとダンディーで私の好みのタイプかも?パパとは雰囲気がちょっと違うけど、あなたみたいなタイプも悪くないわぁ」
「ゲイザー様…、何を悦んでいらっしゃるんです?ラミアの鱗がなくても元気になっておられますし」
「い、いえ。誤解です!フラウ…。これは私の意思に反して勝手に…」
「おじさん、また新しい仲間ゲットしてるし!あのお姉さん…相当、魔力強いよ?」
「ルシファーとリリスさんの娘でしたら、さぞかしお強いのでしょうね…」
「あはは!こんなウブな男初めて見たわ。可愛い」
「私はビーストカードに封印する方法を知りませんので、ユリアーノ様に頼まないと、あなたを使い魔にしてあげられませんが…」
「よくわかんないけど、そのユリアーノって人のところへ連れてってよ?マイダーリン」
「マイダーリンですって!ゲイザー様には私と言う妻がちゃんといますから!」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第144話です。