離れ離れだった父娘の感動のご対面です。
「大人になったリリムはリリスにそっくりだ。リリスが生き返ったのかと思ったよ?いや、リリスは転生してナタに生まれ変わってるから、あり得ないのか」
「パパ…。私を置いて死んじゃうから、すっごく寂しかったんだよ?」
「ごめん、リリム。天界の記録を読んで、リリムは独身のままで、どこかに生きているのはわかっていたんだが、まさかこんなところにいたとはね」
「あの、感動の再会中にすみませんが、ラミアの鱗がここにあると聞いてやって来たのですがラミアはどこにいるかわかりませんか?」
「ラミアと言うのはリリスの別名ですよ?ラミアの尻尾は僕が魔力で作ったので、その鱗を煎じて飲めば、精力が異常に上がると言って、悪い男に鱗を剥がされて、ラミアは泣いていました」
「ラミアの鱗には本当に不能症治療効果はあったのですね」
「ええ、まあどうしてもラミアの鱗が欲しいなら、僕が魔力でラミアの尻尾を生み出す事は可能ですが…。その代わり交換条件があります」
「交換条件?何でしょう…」
「僕をあなたの家に置いてください」
「それはダメです。契約の破棄は認めません」
「あなたは毎晩、妻とお楽しみになっておられるのでしょうけど、僕はもうずっと恋人とはご無沙汰で夜の関係を持っていないんですよ!」
「アーク殿、実の娘の前でそのような話はやめた方がよろしいかと…」
「その程度の話、聞いたくらいで私はなんとも思わないわよ?それよりパパ、いつの間に恋人なんか作ったのよ!私をお嫁さんにしてくれるはずじゃなかったの…」
「それはちゃんと断っただろう?お前は僕の実の娘なんだ」
「ママは色んな男と関係を持っていたから、血が繋がってない可能性だってあるわ」
「それはあり得ない。リリスには僕が魔法をかけて、望まない男の種を手に入れても自分の意思で破棄出来るんだ。リリスが僕の種だけを腹の中で選別出来るようにしてあげたんだよ?」
「じゃあ私、本当にパパの子供だったんだ?それはそれで嬉しい!何処の馬の骨かわからない男の子だって思うのが嫌だったから」
「あなたはそんな魔法まで使えるのですか?私はルシファーの力を舐めていたようです。なんと言う恐ろしい魔法を使うのか…。天界の者があなたを畏れる心境を垣間見た気がしました」
「大したことじゃないさ?マムシの持つ能力だよ。僕はそれをリリスに授けたに過ぎない。そこら辺にいるマムシが普通にやってる事さ?」
「マムシにそんな能力があるんですか?知りませんでした」
「ああ、ヘビは優れた能力があるのに、その姿が恐ろしいと言う理由だけで、忌み嫌われているんだ。愚かな人間たちからね」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第143話です。