ゲイザーが二階の寝室に入ると、フラウが仁王立ちで待っていました。
「また私の悪口を言いに、酒場へ行ってらしたんですか?」
「だから悪口など言っていませんよ?今日はアーク殿の愚痴を聞いていました」
「私が子作りを迫って困っていると仰ってたんでしょう!」
「私はそんな事は言っていません。信じてください…」
「サラさんもミネルヴァさんもお腹の子がすくすく育っていると言うのに、どうして私のところへは赤ちゃんが来てくれないのです?」
「それは私にもわかりません。もしかすると私の方に問題があるのかもしれせんね」
「ゲイザー様に問題などないです!」
「以前、小耳に挟んだのですが、子供が出来なくて離縁された妻が再婚後、すぐに子を授かって、実は夫の方が不能症だった…と言う話を聞いたことがあるのです」
「そう言う話はよく聞きますけど、子供が出来ないのを理由に離縁にするなんて酷過ぎます」
「まあ、そんな男のところにいても幸せにはなれませんので、離縁になって良かったと思えば良いでしょう。フラウは自分に色々と不妊症治療を行っていますが、私の方は何もしていませんからね…」
「ではゲイザー様も不妊症治療を受けられますか?男性の方の治療薬も研究中なのです」
「私に問題があるのであれば、フラウは他の人と再婚すると言う手もありますが…」
「ゲイザー様以外の男性と再婚するなんて絶対に嫌です!」
「フラウは多分、そう言うだろうと思って、今までこの話はしなかったんですよ…」
「ゲイザー様は…私と離婚したいと考えておられたんですか?酷いです!」
「離婚したくないから悩んでいたんです」
「本当は酒場に浮気をしに行ってるんじゃありませんか?綺麗なバニーガールがたくさんいるでしょう!」
「浮気はしていません。愚痴を聞いてもらってるだけです」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第128話です。