結局、ゲイザーに説得されてしまい、アークは気が進まないまま酒場に連れてこられました。
「こんばんは、今日は部下を連れて来ました。奥の部屋を借りますね」
「アーク様!本物ですか?私、メサイアのファンなんですぅー」
「すみません、オフなので騒がないでもらえますか?」
バニーガールに取り囲まれてアークは苦笑いをしていました。営業スマイルで乗り切ります。
「ベン殿も一緒にどうです?今日は私が奢りますよ?」
「ゲイザーの奢りか!よっしゃー、飲むぞ?」
ゲイザーはアークとベンを連れて奥の部屋に通されました。
「こう言う雰囲気は苦手です。やはり帰らせてもらいます」
「まだ来たばかりではありませんか?一杯飲んでから帰ったらどうです?」
「はぁ…、大人の付き合いが大事だと言われたので来てしまいましたが、来るべきではありませんでした」
ベンがアークの肩に腕を回して絡んで来ます。
「にぃちゃん、その顔なら女には苦労しなさそうだよなぁ」
「それが彼も彼なりに苦労なさっているようです」
「何が苦労だってんだ!オレがその顔なら女を取っ替え引っ換え楽しんでるだろうぜ?羨ましい」
「こんな酔っ払いと話していて、ゲイザー様は不快にならないのですか?」
「ベン殿はアーク殿の事を褒めておられるのですよ?」
「侮辱されたと感じましたが…」
「もっと違う視点で見てください。私はここに来て色んな方と腹を割って話す事で、人の心の内を知ろうとしてるのです」
「なるほど…、ゲイザー様にはそのような深いお考えがあったとは…」
「うちのカミさんがさー、いくら頼んでも夜のお楽しみをさせてくれないんだよぉ」
「私はまだ頼めばお相手させてもらえるだけ、マシなのでしょうか…」
「そりゃそうだ!頼んでさせてもらえるなら幸せだろが?」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第124話です。